犬はいたずらばかりする?

飼い主さんが「うちの子はいたずらばかりするおバカさんなんです」なんておっしやるのを聞くことがあります。しかし、果たしてそれは本当でしょうか?こんなことを言うと、「また変なことを言い出して!」と思われるかもしれませんが、そもそも「いたずら」って何でしょう?

辞書で「いたずら(いたづら)」の意味を調べてみると、「人の迷惑になることをすること。また、そのさま。悪ふざけ」とあります。犬がする「いたずら」と呼ばれる行動は、確かに人の迷惑になることが多いようです。

が、いたずらとは本来「迷惑になることを知った上で行う」のが前提になるかと思います。ということは、迷惑になるとは思わずにする行為は、いたずらとは呼んではいけないと思うのですが、いかがでしょうか。

犬が「人の迷惑になるだろう」と思っていたずらをするのであれば別ですが、いたずらしているときの彼らを見ている限りでは、決してそうではないと思います。「楽しいからする」、「したいからしてる」、ただそれだけなんですよね。

「うちの子は、悪いことをしたとわかっている。その証拠に、やった後は申し訳なさそうにしている」と言う飼い主さんもいます。犬は本当に「悪いことをした」と理解しているのでしょうか?

犬がスリッパをかじるときに「スリッパをかじると飼い主が困るだろうな~」などと思っているとは考えにくいもの。私は、ただかじりたいからかじっているか、飼い主さんが反応するから、それがおもしろくてかじっているか、どちらかだろうと思います。

犬は臭いを嗅ぐことが得意で、その人の臭いがする部分やものも好きです。なかでも足の裏は人気スポット(?)のようで、スリッパはもちろん、靴、靴下、ストッキングも大気ランキング上位です。下着もその人の臭いがつきやすいので、洗っていないものほど人気があります。スリッパや下着はかじりやすい形状な上に、適度に破けたりして、犬の作業意欲を満たしてくれる要素も持っています。人気を集めるのも理解できるというものです。

そしてスリッパ遊びに飽きて放っておくと、そこへ飼い主さんがやって来ます。ボロボロになったスリッパを発見すると、飼い主さんの様子はみるみる変化。それを察知して、「犬は何か悪いことが起きる」と感じ、不安や不快な表情をするのですが、それを見た飼い主さんが「申し訳なさそうにしている」ととらえているのではないでしょうか。

試しに、スリッパをかじっていたら、よくほめてやるようにしてみてください。「申し訳なさそうな様子」はどこかへ行ってしまうと思います。

 

ほかにも、飼い主さんが「いたずら」と呼ぶ行動には以下のようなものがあります。家具やカーテンをかじる、テーブルの上の大事な書類を取ってかじる、携帯電話やリモコンを取ってかじる、バッグに首を突っ込んでスナック菓子を見つけて食べる、などなど

木製の家具などは、かじると削れますから、なかなか楽しそうです。カーテンはゆらゆら揺れて、じゃれて遊ぶにはもってこい。引っ張りっこもできます。大事な書類も、いつもないところに置いてあると気になるもの。かじってみると紙はビリビリ破れるので、犬にとっては楽しいおもちゃです。携帯電話やリモコンは、いつも飼い主さんが探していたり、さわろうとすると慌てるので、犬たちも気になるのでしょう。バッグの中に首を突っ込んでスナック菓子をケットするなんて、なかなか優秀なハンターです。

わが家の『トラ』は、私がバッグをうっかり床に置いてしまうと、必ず中からハンカチを持って行きます。ある日、新しいペンを買ってバッグ内のペン差しに差しておいたら、すぐに気付いて持っていきました。おかげで買ったばかりのペンはガジガジされてしまいましたが、叱るどころか、新しいものに気付いて、それだけを持って行った行動に感心してしまいました。

そう言えば、何年か前に定額給付金がもらえることになったとき、出し忘れないように申請書を封筒に入れて玄関の靴の上に置いておいたら、ビリビリにされたことも。いつもないところに封筒が置いてあったので、すぐに気付いたのでしょう。いつもないところにあるものに関しては、犬はとても敏感です。

結局、再発行の手続きをせずもたもたしているうちに、申請の期限が切れてしまい……、でも叱る気にはなれず(笑)。