犬は「いたずら」ではなく、「やりたいから」やっている

前回に挙げた犬の行動はどれも、決して飼い主を困らせようとしてやっている「いたずら」ではなく、「やりたいから」あるいは「楽しいことが起きるから」やっている行動だと思います。

ほかにやることがなく犬が暇になる。すると作業意欲がムクムクと湧き、勝手に作業を見つけてそれに取り組む。これが「いたずら」の正体なのです。こんな行動をする犬は、悪い犬なのでしょうか?私は、いたずらは作業意欲の表れで、すばらしいことだと思っています。

麻薬探知犬をトレーニングするビデオを見て知ったのですが、飼い主に見放され、捨てられて施設にいる犬たちのなかから、作業に向いている犬を探すことも多いそうです。彼らの作業意欲は、高度なトレーニングを入れるのにふさわしいのです。作業意欲が高い犬に作業を与えてやらないと、壁をかじる、ドアを突き破る、床を掘って穴を開ける、ソファを破壊するなどの作業を勝手にやってしまいます。

「何がしかの作業をさせなければいけなかったこと」を理解ができない飼い主が、扱いきれなくなって彼らを捨ててしまうようです。

わが家では、家を留守にするとき、もういたずらをする意欲がなくなったと思われる13歳の『コタ』と、もともとあまりいたずらをしなかった6歳の『ラー』については、ハウスに入れないで出かけています。

私が家を出る刺激を少しでも軽減しようという気持ちから、出かけるときの儀式として、コタとラーを座らせて待たせ、床におやつを一粒ずつ置いてやり、「ヨシ」の合図で出かけるようにしています。ところがある日、ガラス越しに見てみると、ラーがすばやい動きでコタの分まで食べてしまっていることを発見。何とかコタにも食べさせたいと思い、いつもお客さまにおすすめしているパズルを使うことにしました。

このパズルは知育玩具と呼ばれるもので、犬が頭を使っておやつをゲットするようにできています。パズルならいくつかおやつを仕込めるし、時間も稼げるので、コタがひとつも食べられないという事態は避けられます。

しかし、それと関係があるかどうかは定かでありませんが、パズルをやらせるようになってから割とすぐのこと。いつものように留守番をさせて家に帰ると、何とフタつきのゴミ箱があさられていました!

家の中で自由にしていたのは、作業意欲が低いはずのコタ&ラーのコンビ。一体誰がやったんだろうと思っていると、コタがトコトコとゴミ箱に近づいて、フタを開けようとしました。つまり、犯人はコタ!

この13年間、そんなことは一度もしたことがなかったのに、これはうれしいと言うか、びっくりです!

私の勝手な想像なのですが、パズルにチャレンジさせたことで、コタの脳が刺激されて作業意欲が上がったのではないかと思います。老化防止として、もしくはエネルギーの余っている犬に、このようなおもちゃを与えるのはとても良いことだと実感しました。

とは言え、ゴミをあさられるのは、内容によっては食べてしまっては危険なものもあるし、片づけるのも大変。とりあえず出かけるときには必ずゴミを出しておくようにしたいのですが、私の脳が忘れないようにするのが大変です(笑)。

ここは策を講じる必要があります。わが家では、先日高さ65㎝のしっかりしたゴミ箱(スチール製)を購入しました。6800円なり。とにかく、犬より私たち飼い主が賢くなる必要がありそうです。